原子力発電所、石油化学プラント、大型の航空機や船舶、公共交通システム、電話回線網、金融機関計算機ネットワークなど私たちのまわりでは大規模な機械システムが日常生活に欠かせない重要な基盤となっています。これらの機械システムは私たちに大きな便宜を提供してくれていますが、時には故障やトラブルを起こし、結果として大きな人的被害や物的損害をもたらし社会不安の原因となることも経験されています。
このようなトラブルの対して従来は、機械システムの設計や運用の方式を色々な視点から改良することで対応が図られてきました。構成材料、部品や素子、個別機器、さらにシステムという様々なレベルでの改良や高信頼化がなされてきたし今もその努力は続けられています。
しかしこれらの努力にもかかわらずトラブル事象や事故災害は根絶されてはいません。何か根本的な問題が未解決のまま残されているのではないかという疑問が起こってきました。そしてこれらの事例の多くの分析から、高いレベルの安全を確保するためには機械側だけに視野を限定していかに改良を行っても不十分であり、人間と機械の関係を十分に吟味しなければならないことが広く認識されてきています。現代社会が大規模機械システムを重要な存立基盤としている以上、我々は人間と機械のより望ましい関わり方を真剣に考えていくことがどうしても必要と思われます。
本連載では、このような問題意識に立って、「人間と機械」という大きなテーマについて、具体的な事例を参照しつつ考えていこうと思います。
【目次】
2008年9月12日
2007年12月17日


